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毒蝮三太夫さん/社会への貢献を実感してもらう!それが元気で長生きのヒケツ

今年3月で満80歳を迎えた俳優でタレントの毒蝮三太夫さん。47年間パーソナリティーを務めるTBSラジオ「ミュージックプレゼント」では、「ジジイ、ババア」と呼び掛けながらも高齢者から愛され、日々元気づけています。そんなマムシさんに、元気で長生きするコツ、させるコツを聞きました。
自然体で愛される年寄りになろう
毒蝮三太夫氏

―今年、80歳になられました。

おやじが亡くなったのが79歳だから、俺のほうが長生きになったわけで、親孝行ともいえるね。俺に限らず、医療が進歩して長生きのお年寄りが多くなったけど、問題は元気で長生きするという「健康寿命」をどう延ばすかなんだ。それが一番大事だよね。

―そのためには何が必要でしょう。

ただ、お年寄りを大事にすればいいというわけじゃない。俺もラジオの生放送に来てくれたお年寄りに、「長生きで良かったね」とだけ言っているわけじゃない。「歩けるところは、歩いて行くようにしなよ」「できるだけ出掛けて、人と会うようにしなきゃね」「年寄り同士だけじゃなく、若い人とも話をしなよ」って、いつも言っているんだ。

―自分から元気になる努力が大事なんですね。

そういうふうに社会とつながりながら、自分は世の中の役に立っていることをお年寄りに分かってもらうことが大事なんだ。お年寄りは知識や経験の塊で、「あなたは社会の役に立つんです」ということを知らせたい。80歳なら80年の歴史を持っているわけだからね。技術でも経験でも知識でも、若い連中に教えてやれるんだ。そうやって元気になってもらえれば、医療費だって減らしていけるんですよ。

―もっと若い人と交流するということですね。

お年寄りは、若い人と一緒にいることで、活性化されるんです。そのためには、特に男は「愛されるジジイ」にならなきゃだめなんだ(笑)。別に若ぶる必要はなくて、自然体で清潔感があり、みずみずしく、柔軟に生きる。それが、チャーミングなお年寄りになるコツだね。年を取ったら、頑固になっちゃいけないんです。

―マムシさんの元気の秘訣もそこですか。

年を取ることを、楽しむことが大事だね。そして、いつも笑顔でいることだよ。ストレスと戦うんじゃなくて、味方にしちゃう。それから遊ぶことも大事だと思うよ。お酒も飲みすぎはいけないけど、仲間や若い連中と楽しく飲むのは大好きなんだ。俺の健康の秘訣は、規則正しい不摂生だよ(笑)。

―10年前に腸閉塞で入院されたときは、健康の大切さを実感されたのでは。

あの時は、おなかにしこりがあるのは分かっていたんだけど、無理して仕事をしたり、食事をしたりしちゃったんだ。お医者さんからは、「あと1週間遅れてたら死んでたよ」って言われた。だから、定期的な検査も必要だと実感したね。それから、皆さんも、病院に行ったらお医者さんや看護師さんから愛される、素直な患者になることも大事だよ。そのほうが、助けようと思ってもらえるから(笑)。俺は下町育ちだから、人に好かれるのはうまいんだ。

「年を重ねたら、自然体で、みずみずしく」
毒蝮三太夫氏
医者ではないけど言葉で元気づける

―マムシさんは介護に関する本も出されています。

介護はね、ただ世話をするだけじゃなくて、寝たきりにならないよう、自分で歩く意欲を持ってもらうことが大事。それから、さっきも言ったけど、「有用感」を持ってもらうことがお年寄りを元気にする秘訣だ。俺は医者じゃないから治療したり薬を出したりできないけど、言葉で元気づけることはできる。「あなたは社会に貢献しているんですよ。必要とされているんですよ」と。そして、かまわれることでお年寄りは元気になるんだ。

―マムシさんの毒舌もそうですね。

お年寄りはかまわれたいんですよ。巣鴨なんかでも、お店の店員が「今日もきれいですね」なんてお年寄りをかまって、みんなを笑顔にしている。あれは「おもてなし」っていえるんじゃないかな。俺だって、こうして話を聞いてもらって、かまわれているから元気なんだよ。そのときは、相手の顔を見て、体温を感じながら話すことが大切だよ。俺もまだ80歳だから、これからも頑張ってお年寄りを元気にしていくよ。

毒蝮三太夫氏 1936年生まれ。12歳のとき舞台「鐘の鳴る丘」でデビュー。日本大学芸術学部卒業。テレビ番組「ウルトラマン」や「笑点」への出演で一躍人気者に。パーソナリティーを務めるラジオ番組「ミュージックプレゼント」は今年で47年目。聖徳大学客員教授も務める。NHK Eテレ「介護百人一首」の司会も担当。