VOICE オピニオンリーダーズの声

橋 幸夫さん/つながりと健康をつくり ともに未来へ進もう

何にでもチャレンジしバイタリティー保つ
橋 幸夫氏

―なぜ、今の65歳以上の方々は若々しいのでしょうか

生きてきた時代そのものが“若かった”。1960年代、日本が高度成長という言葉を使い始めた時代に青春時代を過ごしました。新しい国をつくるために本当に頑張ったし、苦労もしたし、見るものすべて新鮮でした。そうした体験からくるバイタリティーを持ち続けているのではないでしょうか。

私自身は若い頃から好奇心旺盛で、それも若さの秘訣かもしれません。72歳で芸能活動を続けていますが、刺激的な毎日のなかで社会とつながっていられるのは本当にありがたいですね。

―健康維持は

情報が多すぎる時代にあって、健康情報も上手にチョイスする能力が必要です。好奇心を持ち、楽しみながら何でもチャレンジするうち、選ぶ力が培われます。

体力面では、還暦を迎えたときに心身を変えていこうとウオーキング、ランニングを始めました。ところがかえって体を壊し、何かを変えるときはより慎重になるべき年代と実感しました。そこからさまざまなことを学び、自分なりのペースで続けています。

「日本のこれからを見届けたい」
橋 幸夫氏
つながりを自ら意識してつくる

―今後の目標や夢は

今年がデビュー55年。あと5年で芸能活動の還暦ですね。そうしたなかで日本がどう変わっているか見届けるのが楽しみです。

特に今の若者は昔と違う感性を持っています。音楽の世界でも、自分の利益というより、シェアする喜びを感じているようです。そしてボランティア精神も、我々の時代には考えられないほどです。そんな若者がいれば、日本は絶対大丈夫です。

一方で、僕を含めて最近のシニアは弱くなっている面があります。菅原文太さんは自分の生き方に自信を持ち、白か黒かはっきり言った人でした。そんな一言居士が減っているのが残念で、若者にとって学ぶ機会が少なくなっているような気がします。

―認知症のお母さまを介護されたご経験があります

介護のあり方も当時と今では違い、将来も変わっていくでしょう。72歳の私にとっても、10年後、例えば足腰が弱ったときに在宅や施設で介護を受けるのか、あるいは全く世話にならないでいられるのか考える時期です。

―読者にエールを

私自身も心掛けたいのですが、疎遠になった友人との触れ合いを復活させたり、友達を増やしたり、社会のなかでつながりをつくっておいてください。誰かと支え合い、前向きに生きられるよう、自分次第で環境改善しておくことができるはずです。

また介護を受けるときに備えて、どのような介護を受けたいかを考えておき、メモに残しておきたいですね。周囲の人や社会の側も、どんな介護が当事者にベストなのか模索して、いつその時が来ても平気という体制を作ってあげられたら素晴らしいと思います。

橋 幸夫氏 1943年東京都生まれ。「潮来笠」「いつでも夢を」「霧氷」など多数のヒット曲で知られる。認知症の実母の介護体験を基にした著書『お母さんは宇宙人』はベストセラー、介護についての講演活動も継続する。